「初陣」感想 その2(双璧編)

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とにかくパトスの迸る状態で書いてるので支離滅裂っす。
あとでまた書き直すかもしれません。
とりあえず、妄想爆発の我田引水感想ですが、双璧感想の続きです……。




この舞台の双璧部分にはいくつかヘンテコ改変があります。
二大改変
「アンネローゼ様と双璧の出会い(舞踏会の警護含)」
「ミッターマイヤーの自爆テロ」

このうち姉上と双璧の出会いは前述の通り「ミッターマイヤーが友情という概念を知る」ための場面なわけで、確かに原作を考えたらありえないんですが、この舞台の双璧のテーマ「僕が歩き出す物語」……じゃなく
「双璧が友達になるまでの物語」

これを成立させるための改変なんで、まあOK
まあ、このテーマ自体が変と言っちゃえば、そこで終了なんで(残念)、そこはつっこまない方向で。
(自爆テロについては後述します)

この作品はタイトルは「初陣」ですが、「友情(バディ愛)」が裏テーマで
赤金の無条件で共依存してる友情
ヤン&ラップの士官学校同期の友情
(ボリュームは少ないですが)
(この二つがまたいいんです、くぅ〜っ)

そして双璧では別のタイプの友情を描こうとした、という意図はそこはかとなく伝わってきます。
こ、こういうの、俺は嫌いじゃないぜ……(二次創作魂)


というわけで、双璧のキャラについての感想です。


まず、この舞台で最強なのは間違いなくロイエンタール様ですね。
何しろご本人が「俺は何でも知ってるんだよ」発言(諜報部並の情報収集力)。
めちゃめちゃ仕事ができる男。
そのために自由に動かせる手下を多数擁してるようです(ルパンとかに出て来るシンジケートみたいな)
とにかく、困った時は何でもロイエンタールにおまかせで安心v
沈着冷静、クール、頭脳明晰、回りを見渡して的確な判断ができる、情報収集完璧、イケメンだわ女にモテモテだわ……この人欠点ないじゃん><レベルのスーパー万能超人です。

でもこのロイエンタールが一番凄いのは、表面では、「俺は女たらしの下級貴族だからな」と偽悪ぶってて、自分の仕事っぷりを誇るような事を一切しないという
照れ屋というか繊細な、男の美学なわけですよ。
やだこの人かっこいい……(惚)
表面ではチャラぶってるので、凄腕ぶりが嫌みにならないんですね。

対してミッターマイヤーは、「堅物の平民」と連呼されるように、一本気、正義漢、例え自分が不利になっても信念を貫く、と言う面が強調され、融通のきかない、生き方の下手な人間として描かれています。

で、ロイエンタールさんはミッターマイヤーのそんな真っ直ぐな部分を、非常に気に入っているのです。
それはもう、憎まれ口を叩きながら終始一緒にいるぐらい。
単純に「ミッターマイヤーは気持ちのいい男」だから好きで、そういう部分を守ってやりたいと思ってて、それに対して見返りはなーんにも求めていません。
見返りも求めず愛する人の幸せを願うって、なんてハードボイルドな(再度惚)

しかし、天の邪鬼なロイさんは、自分のミッターマイヤーへのある意味純情??な気持ちを素直に出しません。
代わりにミッターマイヤーをからかったりネタにして遊んでいます。
ミッターマイヤーのネタを何ダースも持っていると豪語……(全部教えてくださいお願いします)
そして、からかわれてわたわたしてるミッターマイヤーちゃんが可愛くてしょうがないご様子です。
仲良くなったアンネローゼ様に、自分のミッターマイヤーマニアぶりをナチュラル自慢する始末><
アンネローゼ様もお困り……かと思いきや、いろいろと免疫ある姉上はホモホモしい空気にも泰然自若としていらっしゃり、「弟たちの関係に似てるわ」と突っ込む強者ぶり(まあ免疫ない人は困るだろうな)
(しかし親しくなったばかりの高貴な人の前でも平気でいちゃついてるってことは、どれだけ所かまわずなの……)

とまあ、そんなロイエンタール様ですが、要するに「ミッターマイヤーのやつ、こんなにドジっ子だから、俺がついててやらなきゃな」的な、精一杯の愛情表現(で間違ってないはず)
彼なりに、ミッターマイヤーの生き方の下手な部分が危なっかしくてしょうがないわけです。



ロイエンタールは、なぜそんなにミッターマイヤーのことを放っとけないのか。
ここが、この舞台を成功させる大きなポイントなんですが
で、根本ミッターマイヤーの個性が生きるのはここです(力説)
だって根本ミッターマイヤーの凛とした佇まい、しゃべり方、表情、存在が「生き方は下手でも、信念を貫く男」そのものなんですもん><


ミッターマイヤーが上から睨まれたりトラブルに巻き込まれる理由を、この舞台では「短気は起こすな」の一言で片付けてます。
これが、変な方向の役づくりをした日には、この短気さがただの思慮の浅い困った人になってしまい「何でロイエンタール、こんな天然でウザイ奴にかまうん?」となる危険性が大なわけです。

でも、ホント、この根本ミッターマイヤーの存在異というか説得力が凄いんです。

一例として、アンネローゼ様にお呼ばれしている場面の対比的な二人の佇まいで、キャラが一目瞭然ですよね。

セクシーに気怠く椅子に座ってらっしゃるロイ様と対照的に、
背筋をぴんと伸ばして座るミッターマイヤーはピュアな清潔感でキラキラしているではありませんか(!)

もう、もう、この姿だけで、ミッターマイヤーのキャラを全てを説明しつくしていると言ってもいいでしょうっ。
そら、こんな男は守ってやらなあかん、と思わせるものがここにある。
セリフでは絶対に表せない圧倒的ビジュアル感。
あの、三島由紀夫先生がこの舞台をご覧になったら、「ミッターマイヤー君ハァハァ」になったと思いますよ(こそっと主張)
それほどこのミッターマイヤー、軍人の美を体現したお姿なのですっっ(落ち着こう)
  


にしても、根本さんも藤原さんも存じ上げなかったのですが、写真見て、顔だちとか雰囲気とか、どう見ても役が逆だろう、というお二人ですよね。
根本さんなんか、素顔は面長&鋭いつり目の美形で、どう見てもロイエンタール役者だし、藤原さんは可愛い顔でミッターマイヤー向きだし。
ところがこれが舞台だと、一体なんでああなるのかはわかりませんが、役に同化して見える絶妙のケミストリーなわけですよ(ステキ)
もちろんこの二人だけじゃなく、どの出演者もすごーくキャラをつくりこんであるのがわかります。
脚本に説得力をもたせる力がハンパない><

もともと根本さんのキャラがこういう「ビシッとした無骨な男」方向みたいなんすかね。
そこにミッターマイヤーの熱くて短気で朴念仁なイノセントが組合さった時の、美しさと破壊感たるや(……すでにキュン死)
奇跡のコラボですね。
今回の舞台のミッターマイヤーが「堅物の平民」を強調したキャラというのもプラスしたような。


演出で客席降りがありまして、目の前をラインハルト様、ミッターマイヤー、ロイエンタールが通過していったんですが、いやいや、みなさん、ホント美しかったですわ。
顔がカッコいいとかじゃなく、役としてホント綺麗というか、絵的な綺麗さもさることながら、生きてる綺麗さというか。
で、ミッターマイヤーも顔が美形、とかそういう問題じゃあなく(しつこく強調)、髪型とか軍服の着方もセンス良く、存在そのものがミッターマイヤーなオーラを発散させてまして。
ロイエンタールさんもすごい色気があって、ホントこの双璧、セリフ以上のものを、演技と存在感で出して、ああ〜かっこええんじゃ〜……(うっとり)

(2013.08.04)
双璧編まだ続いちゃう……。



 

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